おすすめ絵本・たぬきのじどうしゃ

今回の絵本

『たぬきのじどうしゃ』

たぬきのじどうしゃ 改訂版 (はじめてよむ絵本 9)

◆ あらすじ ◆

たぬきのおじさんが車に乗って走っています。
すると、突然、さかなが、みぶるいしながら、車の中に飛び込んできました。
そして、たぬきのおじさんに助けを求めるではありませんか。
「かいぶつが出たので助けてほしい!」とさかなは言います。

◆ テーマ ◆

ナンセンス

◆ 読後感 ◆

不思議

◆ 絵のタッチ ◆

ぐいぐい塗られた絵

▼ご家庭のみなさまへ▼

その後、たぬきのおじさんは、かいぶつに遭遇してしまうのです！
この後の流れは、たいていのお話では、主人公がかいぶつを倒したり、ひょんなことで助かったりと、予定調和な物語の流れになりがちです。

しかし、作者の長新太さんはそれでは良しとしません。

この作品では物語に乗っかって、心地良くなることに重きを置いていません。
読み手が拍子抜けしたような感覚のままお話は終わります。

しかし、それこそがなんとも言えないこの作品ならでは魅力です。
読後、余韻を残す乾いたユーモア。

一件落着しない世界こそ、おもしろいと気づかされること請け合いです。
この何とも言えない読後感を味わいたくて、何度も読み返す子どもたちも多いです。