幼児のドリブル 理論編
運動専科担当 きくたひでゆき
まず最初に、学年別のおおよその最低到達レベルがこちらです。
②両手でついて両手でキャッチ(胸の高さぐらいでキャッチ出来ると尚良い)
②椅子に座ってドリブル5回~
②ドリブルをしながら進む
※番外編:あんたがたどこさ♪の歌に合わせてドリブル
上手なドリブルは、<①力 ②バランス ③コントロール ④タイミング ⑤リズム ⑥視野>が必要だと考えます。
年少時は①~②、年中時は①~④、年長時は①~⑥といった具合です。言い換えれば、年少時は③~⑥は必要なく、年中時もまだ⑤~⑥は必要ないと言えます。これら6つの要素を学年(もしくはレベル)に合わせて指導することがスムーズなレベルアップに繋がります。
他の運動でも私はまず、失敗例からその原因を探ります。
ドリブルの場合は、段々低くなってしまう、足に当たってしまう、思い通りの場所に戻ってこない…こんな光景をよく目にします。
これらの改善策を先程の要素に当てはめてみると、こうなります。
●段々低くなってしまう ▶▶▶ ①②
→ドリブルは連続した一定の力をボールに対して加えます。その際に体のバランスが崩れてしまうと上手く手まで力が行き届かなくなります。出来るだけ背筋を真っすぐした状態をキープします。年中~年長ではスキルの部分が多くなりますが、まずは力です。
●足に当たってしまう ▶▶▶ ③④
→恐らく一番多い失敗例です。ここでは「いっそのこと絶対に足に当たらない状態」を作ります。椅子にいつもとは反対の向きで座り、背もたれにお腹をつけます。すると両脚が広がった状態になるのでボールをつく先は床だけになります。この状態で練習を重ねます。ボールが段々遠くへ行って行ってしまった時、追いかけようとすると椅子ごと倒れます。こうした失敗がまた慎重にコントロールするキッカケを作ります。そして私が使う魔法の言葉は、「ボールにおいでおいで」です。タイミングも大切です。一定の力に加え、一定の高さでボールに触れます。立った状態のときはおへそよりも高く、先程の座った状態では背もたれよりも高く、です。
●思い通りの場所に戻ってこない ▶▶▶ ⑤⑥
→いつの間にかボールと追いかけっこ…。こちらもよく見る光景です。でも追いついて何とかドリブルは続いてる…。ほとんどの子供はある程度のスキルが身につくとそこを「合格!」と、甘い判断をしてしまいます。「ドリブルじょうずなひとー!?」..ほぼ全員が自信満々に手を挙げます。ここでは「ほら、できないでしょ?」と一度新たな壁を立ててあげます。例えば、壁に体を向けてドリブル(壁との距離は1m以内に設定)、線の上でドリブルをしながら進む、などです。リズムは音に合わせたり、進む場合は足元だけでなく進行方向を見る視野も必要です。八の字ドリブルなどはここで完成させます。
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