附属鎌倉小カリキュラム・デザインとは?【神奈川新聞の理英会コラム】

 10月、横浜国立大学付属鎌倉小学校で、日ごろの成果を示す研究発表会が行われた。全国各地から熱心な教員が訪れる中、同校が今年出版した研究本『鎌倉発「深い学び」のカリキュラム・デザイン』(東洋館出版社)の出版記念講演も開催された。
 講演者は本の編著者、国士舘大学教授・澤井陽介氏。澤井氏は文部科学省で調査官、視学官を歴任。昨年まで付属鎌倉小学校の教育顧問を務めた。澤井氏は講演で、児童の主体性を促すためには、教師のどのような問いかけが有効かを論じていた。問いかけの良し悪しは授業力を大きく左右する。授業力を高めるには他の教師に授業を見てもらい、アドバイスを受けることが一番だそうだ。実際この日、澤井氏が教師に授業後、アドバイスする場面があった。
 多くの教員が見学する中、小学6年生・社会科(鈴木遼輔教諭)の公開授業が行われた。単元は「戦時下の国民生活」。当時の新聞記事などの資料をもとに、国民がどのような教育を受け、どのような心境で暮らしていたのか、鈴木教諭が児童に推測を促す問いかけを行った。問いかけを受け、児童たちは進んで発言する。たとえば「非国民になりたくない。勝利のために役に立ちたいと思っていた」との答えがあった。その答えに対して、教諭は「それは、なぜ?」と、さらに思考を深めるような問いかけをしていく。このように児童の気づきを大切にして、主体性を引き出すことで、授業内容を充実させていった。
 授業後の協議会では、授業者の鈴木教諭、講演者の澤井氏、授業を見学した教員たちで、先ほどの授業について議論が重ねられた。澤井氏は児童の発言を丁寧につなげていく鈴木教諭の授業力を評価しつつ、板書を使い、社会の仕組みやできごとを整理してノートにまとめさせ、知識と結びつけることも重要だとアドバイスしていた。
 公開授業や、実践例を紹介する研究本の出版を通じ、付属鎌倉小学校は教育活動を広く一般に共有している。客観的な意見を進んで吸収し、教育の質の改善・向上を目指す同校のチャレンジを今後も注目したい。
(どんちゃか・理英会 薗田隆平)

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