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【問題11】 最終回 |
記憶:話の記憶 |
●プリントを裏返しにしてお話を聞きましょう。
「ぼくはヨットに乗って、海に出かけることにしました。リュックサックにおにぎりと水筒、暗くなったときのために懐中電灯、雨が降ったときのためにレインコートも入れました。ひとりぼっちだけど、飼っているカメを一緒に連れて行くので、寂しくありません。ヨットに乗って海を進んで行くと、海の生き物たちが運動会をしていました。最初に口のとがった魚とタコが競争しました。口のとがった魚がピョンピョン跳ねながら泳いで勝ちました。次は平べったい魚とタコの競争です。ピストルの合図で平べったい魚は砂に潜り込んでスルスル泳ぎましたが、タコはフワフワしていたので、平べったい魚が勝ちました。海の運動会を見たあと、また海を進んで行きました。するとイルカの子どもがお母さんイルカと泳ぎの練習をしているのが見えました。『がんばれ!』とぼくはイルカの子どもを応援しました。するとイルカの子どもはスイスイ上手に泳げるようになりました。そしてお母さんイルカと一緒にどこかへ泳いで行ってしまいました。気が付くと空がどんどん暗くなって、雨が降ってきました。嵐がやってきたのです。ぼくはあわててリュックサックからレインコートを出して着ました。カメもぬれてしまうので、レインコートのポケットに入れました。風に飛ばされないようにヨットにつかまっていましたが、突然大きな波が来て船が大きく揺れて、その拍子でカメがポケットから飛び出し、海に落ちてしまいました。今度は大きな風が吹き、ぼくも海に放りだされました。ぼくは手足を一生懸命バタバタさせてヨットのまわりを周りながら、カメを探しました。すると突然ぼくの身体がフワリと持ち上がりました。カメが大きくなって、甲羅にぼくを乗せてくれたのです。ぼくはカメのおかげでヨットに戻る事ができました。カメもヨットに戻ると元の大きさにもどりました。嵐が過ぎ去って、空にはいつのまにか星が出ています。ぼくはリュックサックから懐中電灯を出してヨットの上を照らしました。お腹も空いたので、おにぎりを出して食べ、水筒の水を飲みました。カメにも少し分けてあげました。するとどこかでお母さんの声がします。『もう起きなさい。おやつの時間ですよ。』ぼくは目を覚ましました。ぼくのそばには大好きなおじさんとぼくが一緒に写っている写真がありました。」 |
1−3)今聞いたお話の順番になるように、お話しに合う絵を左上の絵から順に線で結んでいきましょう。 |
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(理英会出版「そっくり問題集暁星小学校」より) |
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【解答】 |
1) |
左上の男の子と小ガメがヨットに乗っている絵
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2) |
左中のサンマとタコが競争している絵 |
3) |
2)の左のイルカの親子が泳いでいる絵 |
4) |
3)の右上の嵐の中でカメがヨットから落ちた絵 |
5) |
3)の下の男の子が大ガメに乗っている絵 |
6) |
5)の左の男の子がヨットの中でおにぎりを食べている絵 |
7) |
右下の男の子が昼寝から覚めた絵 |
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【解説】 |
言語理解と話の記憶の課題です。
小学校に入学すると、数十人の児童の指導に1名の先生があたります。話を理解したりおぼえたりする力は、小学校生活に必須の力です。ですから、数多くの学校で言語理解と話の記憶課題が出題されます。
話を聞かせた後、話の内容について質問するというのが、基本的な練習方法です。練習しているうちに、話の記憶の中での得意分野と苦手分野がわかってきます。順序がおぼえられないとか、表現の違いをおぼえられないとか、数が入ってくると分からないとか、苦手分野がはっきりしてきたら、質問の中に必ず苦手分野を入れます。「このポイントを後から質問されるんだな」と子どもが分かってくると、注意して聞くようになります。
気をつけたいのは、言葉の意味が分からない場合です。意味が分からない時「分からない」と本人が言ってくれると良いのですが、半分以上の子は勘違いしたり、聞き飛ばしたりします。例えば、お話の中に「いろり」がでてきた時、子どもにいろりって何かを聞いてみましょう。分かっていないようなら、できれば映像を見せて説明してください。語彙(ごい=知っている言葉の量)が多い子は、話の理解力もふかまりますから。 |
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