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どんちゃか幼児教室/幼小受験 理英会 久野 康晴(ひさの やすはる) 小中高大学、4つすべての受験指導に携わってきた経験をいかし、
現在、幼少期の子どもたちの成長と発達をサポートする小学校受験指導にあたる

2021年秋に行われた2022年度小学校入試。
コロナ禍の2年目の入試となりました。

第5波がおさまった中での入試となったことは、子どもや保護者様にとって幸いでした。
昨年同様、考査当日に運動や行動観察を実施せずに、テスト時間を短縮した学校がありました。

昨年は情報が少なかったですが、今年は学校も事前に十分な準備をされ、
私たちも昨年の入試を参考に対策をすることができました。
ここでは、2020年秋実施入試との違いや、これからの入試では問われるものとは何かを考えつつ、
今年の入試を総括します。

小学校入試は、これらの組み合わせで選考が行われます。
中学受験や高校受験と大きく異なるのは、ペーパーに偏った試験ではないことです。

(※ほぼ全員が中学受験をする学校では、ペーパーの難易度が高い傾向にあります。
精華小学校や洗足学園小学校が該当。今年は精華小学校のペーパーの難易度が上昇。
慶應幼稚舎のようにペーパーがない学校もあります。)

また、子どもや保護者が、その学校の校風や教育方針に合うか、
合わないかというマッチングの要素が少なからずあります。
その学校に合うご家庭像や、子どもらしさをみています。

小学校入試では、子どもが小学校で集団生活を送れるかという観点で、総合的な選考が行われます。

「どんな子どもに入学してほしいですか?」という問いに多くの先生が「人の話を聞ける子」とお答えになります。

また、お友だちに自分の考えを伝えられるか、協調性があるか、なども大切な観点でしょう。

話はそれますが、大学受験でもペーパーを離れた総合型入試(以前のAO入試)は広まりを見せており、
今後も拡大していくはずです。
私立大学だけでなく、東京大学や京都大学なども国公立大学を含め、ほぼすべての大学で、
AO入試に類似した入試を導入しています。

小学校での集団生活を前提に、お友だちと協調性があるかを分かりやすくみることができるのは、行動観察です。
お友だちとどのように接し、関わっていくかという協調性をみるために、自由遊びはよくある行動観察の課題です。
行動観察は小学校入試特有のものと言ってよいでしょう。

おもしろい宇宙人をつくろう、チームで発表

輪つなぎ
2チームに分かれて、輪つなぎをやります。
ルールは、同じ色がとなり合ってはいけません。
チームのお友だちと仲良く声を掛け合いながら長くつなげましょう。
長くつなげたチームの勝ちです。

トンネルづくり
見本と同じものをチームで作りましょう。

集団で自由制作
これからグループで相談して、遊び道具を何か作りましょう。
使う道具は、かごの中にあります。
まずグループで相談しましょう。
決まりましたか?
それでは、始め。

劇の発表
みんなで相談して、ももたろうと三匹のこぶたの絵本のどちらかを選んでください。
その絵本のどこがよいのかも話してみて、本を決めてください。
決まったら、役を決めて絵本の芝居の練習をしましょう。
それぞれのチームの発表をみてください。

お友だちと相談してボーリングのボール投げる順番を決めて仲良く遊びましょう。

小学校での集団生活では、お友だちや先生に自分の考えを伝えることも大切です。

代表的な課題は、お話づくりや面接です。

トムとジェリーのDVD鑑賞後、「あなたなら、どうやって仲良くなれますか?」という質問が1人ずつおこなわれました。
また、カードを使ったお話づくりが初めておこなわれました。
カードは順番通りに並んでいたようです。

4枚のカードでのお話づくりに加え、最後にもう1枚白いカードが渡され、話の続きを考えました。

絵をみてお話をつくる問題が出題されています。(絵は複数枚あります)

これまで継続してお話づくりが出題されています。(絵は複数枚あります)
ブランコが壊れてしまいました。
くまくんはどんな気持ちでしたか?のように心情を答える問題もよく出ます。

絵画制作では何の絵を描いているか先生に聞かれる場面がありました。

例年同様にさまざまなテーマで絵を描き、それについてのお話を聞かれました。
具体的には「無人島でやってみたいこと」「家で一番好きな食事をしているところ」
「プレゼントを友だちと交換するところ」といったテーマが出題されたようです。
自分が描いた絵について、様子を表すことばや気持ちを表すことばを使いながら、
いきいきとした表情でお話ができるといいですね。

フリートークに近い面接が実施されました。

面接では、型にはまった質問ではなく、1つの質問からの関連質問があるのが普通で、ペーパーとは違って、
短期間で表現力を身に付けることはとても難しいです。

表現力は、日常生活での会話による、ことばの体験の積み重ねや絵本の読み聞かせなど、擬似体験や擬似感情の積み重ねによって身に付くものです。さまざまな人と接することも大切です。

こうした積み重ねによって、相手の話を理解する力や相手の気持ちを感じる力が養われていきます。

また、子どもの自由な発想に大人の常識を押し付けてしまうと、子どもは口をつぐんでしまいます。

大人がしっかりと話を聞いてあげることで、子どもはいろいろなことを自由に話せるようになります。
子どもとたくさん会話をして、その中で稚拙なことばや間違った言い方を教えてあげればいいのです。

最近の小学校入試や教育関連の情報は、コロナ禍と関連付けて語られ過ぎているように感じます。

それよりも、AIや5Gなどの技術革新による急速な社会の変化、情報化、グローバル化などの時代の変化をしっかりととらえて未来に備えることが大切だと思います。

今後、単純な知識学習はAIにとって変わられるでしょう。
すでにそういう教材は世の中に登場しています。
ペーパーは近い将来、個別対応が可能になるでしょう。

そんな中では、自己表現力や協調性などペーパーでは測りきれないものが重要になるはずです。

モンテッソーリ教育やシュタイナー教育などさまざまな幼児教育の手法がありますが、共通しているのは、身体感覚を伴う多様な活動の経験や遊びの中で学ぶことです。

年齢を重ねるにつれ、遊びがゲームに傾倒していくのは目に見えていますから、幼稚園や保育園でのお友だちとの集団生活や遊びは貴重な学びの場です。

幼児教育が早期教育と置き換わって、誤解を生んでしまうことがよくありますが、小学校受験で求められる力は、知識のみを先取りするようなものとは本質的に異なるのです。

〔注〕
考査の内容については、理英会の子どもたちから聞いた出口調査をもとにしております。
若干の相違がある場合がございますので、ご了承ください。