8月・9月はカミナリの季節ですね。
カミナリの音はどうして鳴るのか、考えたことありますか?
ピカッ! ゴロゴロ!ゴロゴロゴロー!
私は小さいころ「雷神様のお腹の音だよ!」と教えられました。
今日はカミナリとその音について学んでみましょう。
雷(カミナリ)は、お空で「ピカッ」と光って、「ゴロゴロ〜!」と大きな音を立てる自然の現象です。
雨の日や夏の午後などに、よく聞こえてきますね。大きな音がしてびっくりしたり、ちょっとこわくなったりすることもあります。
雷は、お空の高いところで、大きな雨の雲ができるときに生まれます。
この大きな雨の雲は「入道雲(にゅうどうぐも)」や「積乱雲(せきらんうん)」と呼ばれます。夏の暑い日に、もくもくと山みたいに高くなる雲を見たことがありますか? あれが雷を作る雲です。
雲の中では、氷の粒や小さな水の粒が、風で上へ下へと行ったり来たりしています。
これがゴツゴツぶつかると、静電気がたまります。冬にセーターをぬいだとき、「パチッ!」となることがありますよね? あれと同じようなことが、雲の中でとても大きく起こっているのです。
雲の中では、
上のほうに「プラスの電気」
下のほうに「マイナスの電気」
がたまっていきます。
電気がたくさんたまると、我慢できなくなって、「バチーン!」と一気に流れます。これが**稲妻(いなずま)**で、ピカッと光るのです。
ここからが今回のメインテーマ、「音」についてです。
雷の光が見えたあと、「ゴロゴロ〜」や「ドーン!」と音が聞こえますよね。これはどうしてでしょうか?
実は、雷が落ちるとき、その通り道の空気は一瞬でとても熱くなります。どれくらい熱いかというと、太陽の表面よりも熱いくらいです。
温度でいうと、およそ3万度ともいわれています。
アイロンやオーブンの温度なんて比べものにならないくらいの熱さです。
空気は熱くなると急にふくらみます。ふくらむスピードがとても速いと、「ドン!」という衝撃が生まれます。この衝撃は空気の中を波のように伝わり、それが私たちの耳に届いて雷の音として聞こえるのです。
身近な例で言うと、打ち上げ花火の音や、風船が割れる音、手と手を打ち合わせてパンと鳴る拍手の音も衝撃波の音です。
雷の音は、落ちた場所との距離で聞こえ方が変わります。
■近くに落ちた雷
「バリバリッ!ドーン!」と、とても大きくて鋭い音がします。これは衝撃波が強く、はっきり届くからです。
近い雷は体にもドーンと響くように感じることがあります。
■遠くに落ちた雷
「ゴロゴロ…ゴロゴロ…」と、低くて長い音になります。遠くまで音が届くあいだに、山や建物で反射したり、空気でやわらげられたりして、ゴロゴロと響く音になるのです。
雷の光と音は同時に生まれますが、私たちには光のほうが先に届きます。これは、光がとても速く進むのに対し、音はゆっくり進むからです。
光の速さ:1秒間に地球を7まわり半!ほぼ瞬間に届きます。
音の速さ:1秒間に約340メートル。
このちがいを使うと、雷までの距離をだいたい知ることができます。
稲妻がピカッと光ってから音が聞こえるまでの秒数を数え、その数字を3で割ると、雷までのおおよその距離(キロメートル)がわかります。
たとえば、光ってから音が聞こえるまで6秒なら、
6 ÷ 3 = 2 → 雷までおよそ2キロメートルです。
たまに、光っても音が聞こえないときがあります。
そのときは、20~30km以上離れています。
▼計算式▼
空気中の音の速さ(m/秒)=331.5+0.6×気温
カミナリ1回のエネルギーは家庭の1日の電力使用量約50世帯分です。
世界中で起こっているカミナリは毎秒で約100回だそうです。
よって、世界中で起こる1日分のカミナリの総エネルギーは、
50世帯×100回/秒×3600秒×24時間=4億3200万世帯分
となります。これを有効利用できたら本当にすごいことですよね!
身近な自然の出来事で、大きな数や小さな数を扱うのは大切です。
カミナリを「雷神様のお腹の音」と教えるのもおもしろいですが、分かるお子さまには自然現象の不思議に興味をもつきっかけを作ってあげましょう。
「あっ、今光った!1、2、3…」
バリバリバリッ!
「あっ1kmだ。雷神様が近いづいて来た!」
「おへそ取られるぞ!」
知ることで、楽しむ。
カミナリなんて怖くない。
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小1理英会アドバンスコースから中学受験小6まで指導しているただっち先生(多田誠)がお送りしました。
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